怒り 45点

「怒り」は散々宣伝されていたものの、内容の伴わない駄作に終わった。

警察が薄暗いある一軒家を捜索する。床は血だらけである。南條(=ピエール瀧)が奥へ進むと、住人と思われる2人の死体が風呂場で見つかる。1人は床に倒れ、もう1人は浴槽に入れられていた。一方、北見(=三浦貴大)はさらに家の奥へと進む。半開きになっている扉を静かに押すと、下に刃物が落ちている。そして、壁に血で大きく書かれた「怒」の文字を見つける。

この後、話は3つの別々の場所で展開し、そのいずれにも素性のわからない謎の男(=松山ケンイチ、綾野剛、森山未來)が登場する。テレビでは上記惨殺事件の容疑者の写真が公開されるが、その人物は彼らのいずれにもよく似ている。

ネタバレなしの感想

これらの3つの話はどれもさほど面白いものではないし、最終的にそれらが一つにまとまる気配もない。しかし、別々な話を3本束ねただけでは芸がないから、きっと何か我々の想像を超えるような驚くべき結末を用意しているのではないだろうか。もしかすると3人の男たちが同一人物であることが判明して、話は怒濤の展開を迎えるかもしれない。だが、本作は観客の期待に応えない。

そして最後に犯人が明かされるのだが、犯人の殺人の動機は常人には理解しがたい。確かに、現実の世界では理解できないことの方が多いかもしれない。殺人にまともな動機がないこともあろう。しかし、本作のように大して娯楽性がない作品の結末がそのようでは、わざわざ映画館に足を運んだ観客が浮かばれない。

本作は3つの別々の物語を交互に写すという手法によって観客を期待させるものの、結局それらが一体となることはない。だから、本作はそれらの束にすぎないが、それらはいずれも映画にするほどの話ではないだろう。今週末に映画を観るならば、他の作品を当たった方がよいと思う。

原作 吉田修一『怒り』  監督 李相日  出演 渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、ほか

2時間22分

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