BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント 35点

美しい宣伝ポスターの「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」だが、残念なことに、その話は終始単調である。

夜、ロンドンの孤児院内で、院長(=マリリン・ノリー)が玄関の鍵を閉めようとする。しかし院長は扉の下にある郵便物に気をとられ、鍵を半分しか回さずに行ってしまう。ソフィー(=ルビー・バーンヒル)は階段の踊り場で毛布に隠れながらその様子を見ている。あたりを確認すると玄関まで降りてきて、しっかりと戸締まりをする。いつも夜眠れなくて、3時になっても起きているのだ。2階へ上がり、今度は小部屋の窓を閉めようとするが、外で酔っ払いたちが騒いでいる。彼らに対して、静かにしてほしい、と叫び、もし静かにしないなら警察を呼ぶ、と言う。そうして彼らを追い払うと、窓の戸締まりをし、猫を乗せた毛布を引きずりながら、孤児たちが眠る大部屋の一番奥へ行く。バルコニーへのガラス戸は開け放たれており、そこにソフィーのベッドがある。ソフィーはベッドに入り、なんとか猫と一緒に眠ろうとする。しかし気付くと、猫がベッドから抜け出し、バルコニーの手すりに登って外を眺めている。猫を連れ戻そうとバルコニーに出て、外を見る。すると突然ゴミ箱が倒れ、そこにいた猫たちが驚く。そして巨大な手が建物の後ろから出てきてゴミ箱を直し、巨人(=マーク・ライランス)が姿を現す。ソフィーと巨人の目が合うと、巨人は急いでソフィーの方へやってくる。ソフィーはベッドに駆け込んで毛布をかぶるが、大きな手が外から伸びてきて、連れ去られてしまう。

ネタバレなしの感想

彼らは主に孤児院と巨人の国とを行ったり来たりするのだが、この巨人の国は意外に狭く、登場人物も少なければ、町が広がっているわけでもない。その上、巨人の国で見られるのは、もっぱらソフィーが逃げ回るアクションであり、そこで深みのある話は展開されない。BFG(=マーク・ライランス)がやっている仕事もなんだか釈然とせず、取って付けた子供だましのようだ。

中盤以降の女王に絡む展開もいただけない。それはあまりに都合よく、子供じみていて、少なくとも大人には不満の内容だろう。また、話は事務的に淡々と進む。

ただ、この作品のCGは優れており、巨人たちの存在感は見事である。そしてもう1つよかったことは、「プップクプー」や「プリプリプー」が登場するたびに歓声を上げて喜ぶ小さな子供が映画館にいたことだ。あんな赤ちゃんみたいな声の子が映画を理解できるんだな、と感心すると同時に、こちらもうれしい気分になった。

本作は映像を楽しむ作品であり、物語に期待してはいけない。子供に見せてやる分にはよいかもしれないが、彼らが眠らずに鑑賞できるか心配である。

監督 スティーブン・スピルバーグ  出演 マーク・ライランス、ルビー・バーンヒル、ほか

1時間57分

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