かわいらしい女の子が活躍する「オリビア」は、現代アート風の作品である。
歌ったり、金槌で打ったり、飛び跳ねたり、逆立ちしたり、オリビアは何でも上手な女の子だ。オリビアは、母親、父親、弟のイアン、犬のペリー、そして猫のエドウィンと暮らしている。朝起きると、猫を連れ出し、身なりを整え、猫を元に戻す。そして服を着るが、全部試さないと気が済まない。天気がよければ海岸へ行き、雨ならば美術館へ行く。それにお昼寝も大切な日課だけれど、オリビアは全然眠くない。
本書はオリビアの日常を描いた作品で、特別な事件は起こらない。しかしオリビアは想像力が豊かで、大人を驚かせるほどの芸術作品を作る。それに好奇心が旺盛で、思い立ったらさっそく試してみる。そんな才能あふれるオリビアだが、子供らしいところもあって、たとば、試着した服を脱ぎっぱなしにしたり、お昼寝をしなかったり、壁に落書き(?)をしたり、寝る前にたくさんの本を読んでもらおうと頑張ったりする。だから、私たちはオリビアを通じて芸術に触れることが出来るし、オリビアがかわいくて仕方がないのだ。
本書は簡潔であるにもかかわらず、とても面白く、現代的で、芸術的な作品である。購入しても損はないだろう。
作 イアン・ファルコナー 訳 谷川俊太郎
34頁 文字数少ない 全文字かな
2001年コールデコット栄誉賞